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コラム

若き料理人が鶴岡の食を体感

2020.11.02

東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を契機に、「日本人と自然」のテーマで、縄文時代から現代まで続く「日本の美」を、全国各地での芸術文化活動を通じて国内外に発信する「日本博」。国が推進している当プロジェクトの一環で、日本最大級の若手料理人コンペティション「RED U-35」で優れた成績を残した「CLUB RED」メンバー6人が集結。日本の郷土料理の魅力を継承しようと、「日本博×CLUB RED」のコラボレーション企画が進んでいます。

若手料理人が郷土を探訪

土地を知り、食文化を学ぶ

今回の舞台は東北。その中でも、地域で受け継がれた在来作物の豊富さや山岳信仰、北前船で育まれた独特の食文化が認められ、国内では唯一「ユネスコ創造都市ネットワーク食文化部門」に認定されている山形県鶴岡市をメンバーが訪れました。2021年2月に鶴岡市で開催するダイニングイベントでは、「CLUB RED」メンバーによる郷土料理をテーマとしたコースを発表予定。それに向け、9月のオンライン勉強会を経て、10月12日~13日の1泊2日の日程で、地元の生産者や料理人と交流しながら郷土を探訪しました。

1日目は、庄内鴨の一貫生産体制を誇る「三井農場」を訪問。鼠ヶ関(ねずがせき)港に移動し、漁港の方々の説明を受けながら水揚げを視察。出羽三山神社・羽黒山参篭所「斎館(さいかん)」での精進料理の体験や食材勉強会などを通して、メンバー同士が親睦を深めました。

和洋中のアイディア光る

新しい郷土料理のかたち

ご参拝から始まった2日目。「斎館」の塩蔵貯蔵庫で保存技術を学んだ後は、月山(がっさん)高原の「野菜農場叶野」、在来作物「宝谷かぶ」の生産者・畑山丑乃助さんを訪問。市内櫛引地区の「産直あぐり」を視察して、農家レストラン「知憩軒(ちけいけん)」で季節の郷土料理を味わい、「産直もんとあーる 白山店」へ。

旅の総まとめとして、メンバーは2日間の感想やコースの開発について意見を共有しました。

「いにしえから伝わる知恵を僕らが新しく料理に採り入れることで、少しでもお客さんに食材の大切さを伝えられるような機会になれば」

菊乃井本店、成田陽平さん、プロジェクトリーダー

「“おいしい”もそうだが、文化的な背景もふまえながら、お客さんの知的欲求に応えられるようなコースを作りたい」おのひづめ、菅田幹郎さん

「山形のシェフ三方も、生産者の方もみんなあったかい。人間味あふれる“心”を料理で示すのは難しいかもしれないが、できる限りみんなの想いを表現したい」

XEX東京 Salvatore Cuomo Bros.、早川光さん

「郷土料理は地方に眠る宝。その宝にスポットライトを当てていくのが我々の仕事なのではないか」京 静華、酒井研野さん

「(本企画の)1回目が今までで一番良かったねと言われ続けるくらい、しっかり成功させたい」恵比寿イーストギャラリー、廣川拓渡さん

「2月という時期にどんなものを出すか。そこは僕らが頑張るところ。いろんな方に協力してもらって、いいものを考えていきたい」トゥーランドット臥龍居、福嶋拓さん




最後のディスカッションには、鶴岡の料理人の「庄内ざっこ」斎藤翔太さん、「ブランブラン・ガストロパブ」五十嵐督敬さん、「ポム・ド・テール」有坂公寿さんも同席。3人は、地域に住んでいるからこそ持ち得た視点で、「CLUB RED」メンバーが手がける郷土料理に期待を寄せました。

「2月になると東北地方の沿岸ではタラが揚がります。そのタラをメインにしたり、羽黒山で学んだ塩蔵だったり、乾物を戻す技術を、それぞれの形にして作ってもらえたら」

庄内ざっこ、斎藤翔太さん

「誰が食べてもほっとするのが郷土料理。ほっとする中にも、新しさやそれぞれの料理ジャンルの良さが加われば」ブランブラン・ガストロパブ、五十嵐督敬さん

「伝統をそのまま受け継ぐというのも一つだが、今回のコロナのように世の中が180度変わってしまうくらいの出来事は、今後もないとも言い切れない。そういった場面でも新しくその土地に根付いていくような、そんな郷土料理のスタイルも一つとしてあるのかもしれない」

ポム・ド・テール、有坂公寿さん

これからを担う若き料理人たち。彼らの感性とかけがえのない地域文化、そして一人一人の食への想いが融合する“新しい郷土料理”に、各方面から熱い注目が集まっています。

「RED U-35」公式サイト https://www.redu35.jp/