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コラム

庄内浜の寒だら漁 

2022.01.20

※ 庄内浜には年間約130種類の魚が水揚げされます。

一番水揚げされるのは「スルメイカ」ですが「春・夏・秋・冬」それぞれ「旬」と言われる旨い魚が揚がります。

 

  • 今の時期(冬)は何といっても真鱈、「寒だら」です。

寒だら・・・冬の時期 1月5日頃の「寒の入り」~1月19日頃まで(小寒)

1月20日~2月3日の「節分」頃まで(大寒)

この時期に水揚げされる真鱈を「寒だら」と呼んでいます。

 特にオス鱈の白子は地元では「ダダミ・キクワタ」と呼ばれ、刺身・湯上げなどで食されてきました。

 

  • 私の持論ですが、庄内地方は「寒だら」消費が日本の中でも一番と思っています。

「日本海側の秋田・青森は勿論の事、北海道・三陸からも、庄内を目指して「寒だら」が集まってきます。

そして、ご存じのように庄内各地で「寒鱈まつり」が開催されます。

  • 鱈は約4年で成魚になり、寿命はおよそ13~14年です。一生の間に10回産卵し、1回の産卵で500万粒の卵を産むと言われます。全長120cm、体重20㎏程まで大きくなる鱈もいます。
  • 「寒鱈漁」は1月~2月に漁港から1時間30分位の海域にある「鱈場」と呼ばれる水深200~350m位の漁場で行います。「鱈場」に寄って来ている真鱈を、庄内浜では主に底曳網漁業で漁獲します。

波が荒い日本海でも、特にこの時期は時化の多い時期です。たとえ短い時間でも風が止み波が立たないとなり、網を入れる時間の確保が期待出来れば底曳船は出港します。

庄内浜の底曳船が一番活気づく時期かもしれません。

私事ですが、宿直があった漁協勤務時代に、風が吹き地吹雪が舞う天候での午前3時、鱈漁に出港する底曳船の見送りをする事が何度もありました。

そんな時は”頑張れよ”と思わず涙する思いをしました。

又、出港時は凪でも天候が急変することがあります。入港の際、先にタイヤをくくり付けたロープを船尾から流し、バランスを取りながら慎重に操船する底曳漁船を何度となく見ました。

そんな命がけの鱈漁は、他に追従を許さない「厳しい漁」でもあります。

 最後に「寒だら」漁の航海の安全と大漁を祈願し、令和4年第一回目のコラムとします

(執筆:佐藤剛 庄内浜文化伝道師マイスター)