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コラム

”由良で生まれ 由良で育ち 業として従事した庄内浜の魚文化”

2022.07.22

”由良で生まれ 由良で育ち 業として従事した庄内浜の魚文化”

 

第2弾として「由良地区の夏漁」を紹介します。

 

山形県の基幹漁業である底曳網漁業も休漁期になり、「由良地区の夏漁」は採貝藻漁業が活発化してきます。

 

私が育った由良の夏は「ニシゲ(ニシガイ)・ツブケ(ツブガイ)・イゲ(イガイ)・グミケ(グミカイ)」と由良独特の方言で呼ばれる「貝群」が味噌汁の具として重宝されています。今でこそ採貝藻漁業、夏の大きな収入源になっている「岩ガキ」は、当時振り向きもされず、獲る人もいませんでした。

「岩牡蠣」が現在のように多く知られるようになったのは、英語圏で5月~8月のRが付かない月は「牡蠣」を食べないほうが良いと言われている中で、真夏に「牡蠣」が食べられると東京で評判になり、『岩牡蠣』が評価を受けるきっかけになりました。

 

 Rが付かない月には「牡蠣」を食べない方が良いと言う理由は

・「毒・ウイルス」があるからなどの理由ではなく、食べて後悔する事があるから止めた方が良いと言う程度。

・Rが付かない5月~8月は「真牡蠣」が産卵の準備に入り、身が水っぽくなり美味しくない。

・当時の牡蠣とは一般的に養殖されている「真牡蠣」の事で、「岩牡蠣」は注目されていない状況でした。

・その後、日本海側で獲れる「岩牡蠣」は評価を受け取引されています。

 

さて、話を本題の『モズク』に移します。

今回私が提案したいのは夏の海藻類の中のひとつ『モズク』です。

「モズク」と言えば『オキナワモズク』を連想する方も多いと思いますが、「庄内浜モズク」は新潟から東北の日本海沿岸に分布する『イシモズク』で細身の粘りが強く、歯ごたえがあるのが特徴です。

この『イシモズク』を県内で一番多く水揚げする漁港が「由良港」になります。

・「モズク」は酢の物・味噌汁で食するのが一般的ですが、私の押しNO1は「しゃぶしゃぶ」で「シャキシャキ」感は沖縄産とは一味も二味も違う食感が楽しめます。

 

箱メガネを使用して漁をする「磯見漁」により丁寧に漁獲される「モズク」は、一度刈られても次に生えてくるから漁期の初めに獲るモズクは「一番モズク」と呼ばれ品質が良いとされているのを記憶しています。

由良地区では、この漁期を決めるのに磯見漁業者で協議し「くちあけ」と称し、『モズク漁解禁』を決めています。

この様に、天然であるがゆえに、毎年漁獲量に変動があり皆さんが購入するスーパー等でも価格差は出てくると思いますが、「庄内浜産モズク」を発見したら是非「ゲット」して「しゃぶしゃぶ」に挑戦してください。

 

 

 私が作る時の【しゃぶしゃぶレシピ】

用意する物

A 麺つゆ

B おろし生姜(チューブタイプでない物が良いと思います)

C ボールの中に真水に塩を少々

D 鍋に真水を入れ沸騰させる

 

料理手順

①ザルの上にモズクをおく

②Cのボールにさっと浸し、すぐ掬う(モズクについたゴミを落とす様に)

③Dで沸騰した鍋にモズクを入れる(色が緑色にすぐ変わる)

④色が変わったモズクを、「A麺つゆ・B生姜」を混ぜた器に入れ食す。

 

 

 

庄内浜文化伝道師 マイスター 佐 藤  剛