庄内浜の紅えび
「名前の由来」
標準和名「ホッコクアカエビ」、一般的な呼び名は「甘えび・南蛮エビ」、山形県では「紅えび」と呼ばれています。
庄内浜の「紅えび」は、海水温が冷たくなる冬になると、より一層鮮やかな紅色に輝き身の引き締まった「紅えび」が水揚げされます。「紅えび」と呼ばれる所以は、女性の唇に紅を塗ったさまに似ている事から名付けられました。
【紅えびの旬】
庄内浜での「紅えび」は7,8月の「底曳網漁業」休漁期を除き通年水揚げされますが海水温が下がり甘さも増してくる12月~1月が「旬」で、「オス」から「メス」に性転換した5年目~6年目の「紅えび」が一番美味しいとされています。
「出荷先」
その鮮度や抜群の味の良さから、山形県では漁師が選ぶプライドフィッシュに認定され、「庄内浜ブランド」としてエビの一大消費地である金沢・新潟・東京方面を中心に出荷されます。
「漁獲方法」
庄内浜の「紅えび」は「底曳網漁業」で漁獲され、休漁期間(7月~8月)を除き、ほぼ通年山形県を代表する鼠ヶ関港で水揚げされます。
「鮮度保持」
庄内浜は全国でも有数の「紅えび」産地です。他県での漁獲方法は「篭漁業」が多い中、庄内浜では「底曳網漁業」による操業で、時期により水深200m~600m付近の海底に生息する「紅えび」を漁獲します。
鮮度保持には特に重点をおき、船上衛生管理システムによる「海水殺菌装置」や、「海水冷却装置」などの漁労設備を有し、船上で選別、箱詰めし、船名を明記した「沖詰シール」等、エビ曳き漁全船で「紅えび」の品質向上に取り組む姿勢や漁労技術の高さは他県でも高く評価されています。
「「紅えび」の生態」
「紅エビ」はオスからメスへと性転換します
紅エビは生まれて3年ほどは「オス・メス」の区別がなく、はっきりと性別が解るのは4年目からです。4年目になるとすべて「オス」として成熟します。
そして、メスと交尾したオスは5年目~6年目から今度は「メス」として成熟します。
※体の大きい紅エビはすべて5年以上生きた『メス』と思っていいでしょう。
◆「甘えび」の不思議
日本海側に生息する「紅えび」は2年に1度しか産卵しません。
太平洋側の「紅えび」は毎年産卵し、オホーツク海に生息する「紅えび」には、両方のタイプが確認されているそうです。
【寿 命】
5~6年目にメスとなった「紅えび」は、始めて産卵が出来るようになります。
産卵は寿命までに平均3回程と言われており、トータルの寿命は10年~12年程になります。
【調理法】
「刺身」は勿論の事、「エビチリ・唐揚げ・味噌汁」等、大人も子供も誰もが楽しめる万能食材です。
【加工品】
鼠ヶ関港に自分が獲った「紅えび」を使った「紅えび加工品」を作っている「現役漁師」がいます。
・野菜たっぷり甘えびスープ
・甘えびご飯の素
・甘えび魚醬
・乾燥甘えび
・甘えび塩
・甘えび塩辛
等が紅エビを使用した主な「加工品」です。