• Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • Youtube
コラム

【魚の旬】

2023.03.07

季節や成長に伴って変わり、うまみ成分が一番多い時、つまりグリコーゲンや脂質、アミノ酸などをため込む産卵前、殆どの「魚」は秋~冬に子持ちとなり春に産卵となります。

この産卵前の身の肥えた時期又産卵後3~4ケ月に再び栄養を蓄えて身が肥えて美味しくなる時期が旬と言われています。

この時期に特化した呼び名で代表的な魚が「マダラ」です、小寒-大寒-立春までを「寒だら」、また産卵後、春~初夏までを「桜だら」・「木の芽たら」と美味しい時期の呼び方があります。

魚の食べ方でも旬の時期が変わります。たとえば「煮つけ」では特に12月~1月の子持ちの「母かれい」が代表的なカレイと言っても良いかと思います。

和名はババガレイ、鶴岡ではアワフキカレイ、酒田ではアワダチカレイ、他にナメタガレイ・ナットウカレイとも呼ばれ正月の代表的な煮つけ魚となります。

 

年間を通して庄内浜ではカレイと名の付く魚が取れています。少しカレイについて説明します。種類が多く、日本近海に40種いると聞いてます。

一般の方が種類を見分けるのは難しいかもしれません。カレイ類は砂地や泥場の海底に着いていますので、下側になる面はカレイ類のほとんどが白色系で、目のある上側の面は底の色に合わせて変化させることができますし、同じ種類でも漁獲される海域によって微妙に色が違ったり、模様が変わったりします。

カレイは、刺し身や煮付け、唐揚げ、素焼きなどあらゆる料理に適する魚ですが、季節により身の厚さやうまさが左右されるものの、白身魚の中でも体によい成分を多く含んでいます。高タンパクで低脂肪、そしてアミノ酸がたっぷり含まれ、低カロリーで、消化吸収もよいのです。血圧を下げる働きがあるカリウムのほか、カルシウム、うまみを感じる成分のイノシン酸も多く含んでいます。

 

「焼き魚」用では子持ちカレイは身が瘦せて嫌われる傾向ですが、産後から3~4ヶ月後の栄養を蓄え、身が肥えた時期が旬になります。焼き魚用で代表的なカレイは「口細かれい」があります。和名はマガレイで東北の太平洋側では「アカジカレイ」、庄名地方では「クチボソ」と言われています。旬は6月の中旬すぎ梅雨時から10月頃までになります。

マガレイ

特に由良沖では海底に湧水が湧いている所がありプランクトンが多く発生している事から特に美味しいと言われています由良地域の漁師は「ゴンタカレイ」昔はクチボソカレイが大量に獲れ「ごったがえす程獲れた」からの言われているという説や、

海底が泥っぽい場所をゴタ場、ゴンタ場と呼んでいて、そこでよく獲れたことからゴンタガレイとも呼ばれるようになったとの説など、諸説あります。

 

由良地区では「梅雨ゴンタ」と言って旬の時期を表す呼び名があるように、庄内は、クチボソを好んで食べる土地柄として業界内で知られています。

 

同じ旬で和名「マコガレイ」鶴岡ではエンショウカレイ、酒田ではネサシカレイやモクカレイと地域で呼び名が違っているのが特徴かと思います。

マコガレイ

初夏に旬を迎えるカレイとしては和名「ソウハチ」庄内ではガンブツカレイと言われています。身の肥えた2~3月頃が一夜干しにして一番美味しい時期になるかと思います

ソウハチ

カレイに似ていて、庄内浜で庄内三大祭り前に獲れる魚に平目があります

ヒラメの見分け方として一般に使われる表現が「左ヒラメに右カレイ」です。目が口の上になるように置いたときに左向きになるのがヒラメで、大半のカレイは右向きになります。

ヒラメ

ヒラメの名は、見ての通り平べったり体つきと表側に2つの目が並んでいることから付いたそうです。

夏場は殆ど水揚げされていませんが、夏場に水揚げされる大きい平目は美味しいと言われ、冬季間はもちろん「寒ヒラメ」と呼ばれ重宝されています。

 

その他カレイの種類と旬(記載外)

※旬の時期=産地によりズレがあります

7月~10月 「石かれい」 11月~2月「柳むしかれい」鶴岡クリノキハ・酒田クビナガ

10月~2月「赤かれい」 12月~4月「黒かれい」5月~9月「舌平目」庄内ではゾーリ魚

11月~3月「浅羽かれい」庄内ではカナベラとか酒田では沖クチボソ

まだ数種類のカレイが水揚げされる場合がありますがスーパーマーケット等で見る機会は少ないかと思います。