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コラム

日本海 冬の味覚を代表する『ズワイガニ』

2023.10.03


“日本一早く「ズワイガニ」が食べられる山形県”

10月1日、北陸・山陰より1か月早く底曳網漁業による「ズワイガニ漁」が解禁になります。『ズワイガニ』と言えば「越前ガニ・松葉ガニ」と言った山陰、北陸の有名なカニを思い浮かべる人も多いと思いますが、“どっこい”荒波の冬の庄内浜には“素晴らしく旨いズワイガニ”がいるんです。

庄内浜の『ズワイガニ』は山形県漁協の地方卸売市場「酒田・由良・鼠ヶ関」の三地区に集荷されますが、特に由良地区で水揚げされるズワイガニのオスは「芳ガニ」と呼ばれ、昔から親しまれてきました。

山形県では『ズワイガニ』を広く知って貰う為に、厳しい出荷基準を設けた新ブランド『庄内北前ガニ』を2019年に立ち上げました。

🔹庄内北前ガニの基準🔹

1.出荷時点で「活ガニ」であること
2.重さが700g以上であること
3.甲羅幅が13センチ以上であること
4.キズ、足切れがないこと
5.水ガニ(脱皮直後)でないこと
6.10月~1月に底曳で漁獲したもの

【以上の条件を満たしたカニだけが『庄内北前ガニ』に該当し、2・3の赤文字で明記した基準は“特選”となり、『庄内北前ガニ』の頂点に位置付けられます】

この様な厳しい基準の中、更なる高みを目指し「目揃え会・求評会」等を実施、中央市場に於いて「庄内北前ガニ」は高評価を得る事が出来ています。

一方、『庄内北前ガニ』はカニ愛好者の間にも広がりを見せ、カニは大好きだけれども「越前ガニ・松葉ガニ」には手が届かない。『庄内北前ガニ』なら旨さは変わらないのに手頃な価格で食べられる事が出来ると、ズワイガニを食べるだけに来県される方も見えてくるようになり、「カニ好きファン」の間で評価を上げているのも確かなようです。

この事は価格の向上にも表れ、底曳網漁業者の方達にも、ブランド化には感謝しているとの声が聞かれ、昨年は1杯30,000円の「庄内北前ガニ」も水揚げされました。

しかし、山陰地方のズワイガニと比較すると、まだまだ低価格に止まっており、一層の努力が必要と高みを目指す一方。

🔹 庄内にも山陰に負けず劣らず“旨いカニ”はいる、そんなに高くならなくても良いから、庄内のカニを食べに来てください! と言う漁師さんもいます。

又、地元飲食店としては価格が向上すれば地元のお客様へは提供しにくくなり、痛しかゆしの状況が生まれるなど、難しい一面もあるとの意見もあります。

『カニビル』
皆さん、カニの甲羅に黒いツブツブがついているのをご存じかと思いますが、この斑点は、ズワイガニに寄生するヒルの卵で人体やカニに悪影響を及ぼしことはありません。
「カニビル」が付いたカニは、見た目は悪いかもしれませんが脱皮してしばらく時間が経っており、身入りが良くて旨いと言う証拠です。

もう一つの『ズワイガニ』・・加茂港『(株)協和丸』・・

庄内浜に揚がるもう一つのズワイガニに「紅ズワイガニ」があります。
協和丸は山形県で唯一「紅ズワイガニの篭漁業」を実践し、他県の船内凍結ガニとは一線を画し、「鮮ガニ」にこだわりを持って水揚げしており、その鮮度や旨さには絶対の自信を持っております。

本ズワイガニが水深300m前後の海に生息しているのに対し、紅ズワイガニは水深800m以深の深い海に生息し、本ズワイガニと比較し、身に水分は多く含んでいるものの、甘みは負けません。 本ズワイガニと同等の美味しいカニです。

庄内浜漁師自慢の旨いズワイガニ、是非庄内の店で!

庄内浜文化伝道師 マイスター  佐藤 剛