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コラム

「次世代クロストーク”海の守り手たち”〜庄内浜の課題共有と未来に向けたアクション〜」

2021.11.25

先日、山形県鶴岡市の加茂水産高校にて、

海と食の地域モデルin庄内浜実行委員会が主催する、

庄内浜の課題を共有し、未来へのアイデアを意見し合うシンポジウム

「次世代クロストーク”海の守り手たち”〜庄内浜の課題共有と未来に向けたアクション〜」

が開催されました。

 

 

午後からのシンポジウムに参加する加茂水産高校3年生。

この日のランチはなんと鶴岡食のアンバサダーであり、

庄内浜の魚料理の達人でもある、齋藤翔太さん(庄内ざっこ)木村英之さん(ベルナール鶴岡)遠藤亮さん(鶴岡協立病院)のお三方が手掛けた 、庄内浜の特製 天然魚弁当「庄内浜ギュギュっと弁当」がご登場!!

 

普段なかなか味わえない、一流の料理人さんによる、庄内浜の厳選素材を使った至極の料理が味わえる貴重なランチ体験。

 

前日そして、当日の早朝から直前まで、達人の手により、丁寧に仕込まれたお料理7品はすべてに庄内浜の極上・天然素材をふんだんに使用。

 

教室ではお弁当を運び込む達人お三方へ向けて大きな拍手が!

一人ひとりに、笑顔でお弁当を手渡され、

蓋を開けた途端、わぁ〜!!っと歓声が!

 

 

キラッキラのイクラと秋鮭の親子飯に、目にも鮮やか・美しく美味しそうなご馳走の数々。

 

 

 

 

ご飯  庄内浜の秋鮭の親子飯

6枠重

 

ハタハタの3色テリーヌ

鰆と赤ネギの味噌素焼き

庄内浜の天然鯛と熊本養殖の鯛刺身食べ比べ

 

ズワイガニ饅頭 蟹味噌ソース

紅海老の蒸し春巻き 加茂水産高校の食べるラー油のソース

鱈のさっぱり煮 鶴岡産酢橘ポン酢餡

 

「映える〜」とスマホで撮影し、いざ実食!パクリ!

「美味しい!!」「何これ!!」「質問していいですか!?」と、質疑応答が自然に始まり、

中には生徒さんが「私達が作った宗田鰹の食べるラー油を使用して頂いているそうですが…」

「ナンプラーと合わせて生春巻きのソースに使わせて頂きました!そのままでも大変美味しくてご飯にかけてモリモリ食べました!」という達人からの嬉しいお言葉も。

シンポジウムの前から、生徒さん達と、達人達の熱きラリーが始まっております。

 

今回のお弁当には新鮮な庄内浜の天然のお魚、鯛、ハタハタ、鱈、鮭、さわら、ズワイガニ、紅エビと豪華キャスト陣ですが、

温暖化などの影響で季節の魚がなかなか手に入りにくく、さらに連日天候が悪かったり、直前まで揃えるのが本当に大変だったそうです。

漁師さんや漁協さんの全面的ご協力のお陰で、ようやく大集結できたご様子でした!!

 

 

ひとつのお弁当に、沢山の大人が関わり、それぞれ、次世代の若者に全力で伝えるために、情熱を持って取り組む姿勢。

そして、真っ向から素直に受け止める若者達のリアクション!

なんだか、庄内浜の未来は明るい予感がしてきました。

 

そして体育館に移動し、いよいよYou Tube生配信のシンポジウムがスタートです!

 

 

 

 

クロストークに参加するスピーカーのメンバーの中には、先程お弁当を食べた3年生を代表して、2名の生徒さんも。

卒業後、県外で漁業に関わる丸藤さん、食べるラー油を制作され、卒業後は調理専門学校に進む渡邉さん。

そして、お弁当を手がけられた鶴岡食のアンバサダーの齋藤さん、木村さん、遠藤さん。

カリスマ若手漁師代表の鈴木剛太さん(第八十三剛雄丸船長)と流通に関わる山形県漁業協同組合を代表して菊地廉さん(念珠関支所支所長代理)、鶴岡食文化創造都市推進協議会の小野愛美さんの司会で始まりました。

話題は、先程食べた、“秋鮭とイクラの親子ごはん”から。

鮭は今年漁獲量がグッと減って、大変貴重な存在に。

 

昔は沢山獲れていたが、今は獲れない魚もたくさんあり、

ほっけは年間30tから100kgになり、すけそう鱈は幻の魚に。

逆に獲れるようになった魚は、まぐろ、暖かい地方で獲れたクエなど。

温暖化や様々な変化で、海の状況は変わってきている、という話題に。

 

漁師の鈴木さんからは、穫れる魚の量は、ここ10年で約半分に。

でも、船上で神経締めをほどこしたり、熟成させたり、技術を味方に1匹の魚の付加価値を上げて、魚を商品に仕上げる所までが漁師の仕事。頑張れば頑張るだけ結果は出て、漁師の生活は成立、未来は明るい。

他県の漁師さんの元へ、漁の勉強に行くことも沢山している。

ワクワクする事をどれだけ自分で見いだしながら、次の世代の子供にも役立つ、知恵を身につけ続ける事も大切。

 

 

漁協職員の菊池さんは、まず、地元の人に魚を食べてもらう為に、地元にどんな魚がいるのか、多くの人に知ってもらう機会を!との事で、昨年2月より、鼠ヶ関港で漁があった日は、魚の種類、漁法、どのくらいの量が揚がったか、などをFacebookでリアルタイムで発信されて、飲食店関係者からは仕入れや、献立も立てやすく好評で、多くの注目を集めているようです。

ちなみに、菊池さん、様々な庄内浜の海の生き物に詳しい為「庄内のさかなクン」と呼ばれる事も。

 

 

鶴岡を代表する料理人の皆さんからは、

 

(齋藤さん)

鶴岡の食文化、郷土料理に魚は不可欠。

春は天神祭にサクラマスの料理など。欲しい時に水揚げされない事も多くなってきている。

獲れたときにすぐに地元で加工、冷凍する施設などあれば、年中使用しやすい。

地魚を食べたがる他県のお客様。冬の間、夏、お盆と正月のあたり長期休暇の際は、特に冷凍のものだけでなく蓄養

されているものがあるとありがたい。

 

(木村さん)

結婚式場では数を揃えるために県内産が入らない時は、県外や冷凍ものを使う事も。

種類にこだわらず地域の海の事情に理解を示して

「庄内浜で水揚げされたものを使用してほしい」というオーダーはとても合理的。

消費者側の理解、お互いの歩み寄りも重要。

家庭で、魚を捌くことが手軽にできれば、地魚の消費が拡大できるはず。

料理教室を開催したり、もっと普及させて庄内浜の魅力を伝えていきたい。

 

 

(遠藤さん)

病院で病院食を作る機会が多く、なかなか生で丸々1匹仕入れたりできず、値段の制限などで、海外産、加工品を使う事も。もっと気軽に庄内の味を使用できるシステムがあればありがたい。

今回は庄内浜のハタハタのテリーヌや、学生さんが作った食べるラー油とコラボしたりと大変良い展開。

 

 

(渡邉さん)

食べるラー油には、様々な魚の中から、時に廃棄になりがちな血合いの部分を取り入れたり、試行錯誤で宗太鰹を使う事にたどり着いた。

卒業後は調理の専門学校に行き、将来はおいしいご飯を作る仕事に関わっていきたいので、その際に庄内浜の魚も沢山使ってPRしていきたい。

 

(丸藤さん)

庄内浜は四季を通じて様々な美味しい地魚もあり、

庄内浜の魅力を受け継ぐために、地魚の美味しさ、地元の海の綺麗さ、を周りにも発信していきたい。

 

 

 

 

そのほか、

 

漁師さんのおばこさわらにはタグがあり、こんな漁師さんが釣ったと分かる。

顔が見えると安心、安全、信頼感も。

先日、世界的に有名な焼津の魚屋さんが来鶴され、おばこさわらを捌き、これだけの素晴らしい仕立てができる漁師さんが鶴岡にいる事は大変素晴らしい。鈴木さんをはじめ、大変高い技術を持った漁師さんがたくさん庄内浜にいる事は大変貴重で、誇り高い事実。

 

 

 

今までは山形県の漁協や漁師の皆さんは、わりと全国へのPRが控えめだったが、

全国の漁業の仕方を取り入れながら、冷凍、蓄養、にも着目して、

山形はしけがあると獲れない、そんなときに冷凍、加工で無駄なく、

水産高校の皆さんの知恵など、地域が一団となって海に向き合って乗り越える事も必要。

 

山形県は海岸線の長さは38位、海がある県の中の中では下から2番目。

庄内はシケの日が多く、沖に出れるのは年間100日間。

でも、全てが天然魚。少量多品種で約130種類。白身魚も極上。

冷凍、加工、の部分では成長性も期待できる環境にある。

熟成の技術もある。

 

司会は鶴岡食文化創造都市推進協議会の小野愛美さん。

事業推進員として全力で食文化の活動に取り組み、

漁師の方、漁協の方、飲食店の方、その他、様々な立場の方の声を聞き、次世代へ豊かな鶴岡の食文化を繋げる為に奔走。日頃から参加者の皆さんと関係性を築かれている小野さんだからこそできる、スムーズな話題展開、地に足の着いた進行、大変勉強させて頂きました。

 

 

庄内浜の海をテーマに異業種間(漁師、流通、料理人、学生)の交流の場となったこちらのイベント。

多くの人が見れるようYouTubeで現在も視聴することができます。

ぜひご覧下さい。

 

「ライブ配信 庄内浜テロワールクロストーク」

https://www.youtube.com/watch?v=dBRm3qh93aM

 

 

 

 

 

 

追伸

 

 

イベントが終了後も、熱き想いや話題は冷めやらず、自然とトークは続き、何を話しているのか聞きたい…!

(同時にそれぞれ話しているので聞き取れない)そして…これはぜひ第二弾も開催して頂きたい!!

そしてスペシャルコラボ弁当第二弾も是非!!と、熱くなりました。

 

 

そして、加茂水産高校ご出身の遠藤さん。

当時は、料理や、海の世界とはまた別の、相撲の推薦でご入学され大活躍されていたそうですが、

シンポジウムの後に、当時お世話になっていた先生方に囲まれ、

 

「立派なったの〜!!今度、講演でもしてくれちゃ〜」

「あの頃、腕相撲で全校生徒、先生も全員なぎ倒されて全員完敗だっけの〜!!」

と、思い出話に花が咲かれているようで、大変微笑ましいご様子でした。

 

イベントにご参加頂きました加茂水産高校の皆さん、クロストークにご参加頂きました皆さん、ご視聴頂きました皆様、

スタッフの皆様、関われました全ての皆様、大変ありがとうございました。

 

様々な職業、立場を超えての庄内浜の未来を担う、次世代を生きる皆さんへのバトンの引き継ぎ、

今後とも是非、庄内浜の海の幸を楽しんで頂きながら、庄内浜を守る方への温かい応援と、ご注目を頂けましたら幸いです!!

 

 

 

「庄内浜 テロワール!!」

 

 

 

 

天然印 庄内浜テロワール アンバサダー

 

三浦友加