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コラム

学校がレストランに!
酒調ランチ~真鯛のスペシャリテ~

2021.07.09

フレンチ、中華、和食、カレーなど、酒田調理師専門学校の学生たちが調理や接客でお客様をもてなす「酒調ランチ」。7月2日、9日は食の都庄内親善大使の太田政宏シェフの監修のもと、庄内浜の真鯛を使った「フレンチミニコース」を提供しました。

高度な技術を駆使する
酒田フレンチに挑戦
酒調ランチは「総合調理実習」の一環で、多人数の食事の調理技術を身につける「集団調理」を学ぶ授業の応用編です。学生たちは「調理班」と、接客を担当する「サービス班」、持ち帰り用の商品を作る「おみやげ班」に分かれて実習に取り組んでいます。

「西洋実習」の非常勤講師、太田シェフ監修の本格フレンチメニュー。

切り身100人分!
前日仕込みレポート
材料は、由良の天然真鯛!大きいものは1メートル超にもなるとか。今回は100名分を調理します。

ウロコを取ります。ヒレのあたりは残りやすいので念入りに。
次に三枚におろしますが、まずは太田シェフのお手本。


こうして持って中骨にそって包丁を入れ、中骨に身が残らないように腹と背を切り離すのがコツ。
カマや中骨などのアラはコンソメのフュメドポワソン(ダシ)に使います。

三枚におろしたら骨を抜き取ります。
「こういう立派な鯛は、修業して3年ぐらいしないと触らせてもらえなかった」と太田シェフ。
こうしたいい食材を調理できるのも酒調ランチだからこその経験です。

骨が硬いので頭を落とすのが大変そう。前回からぐんと上達した学生も。

こちらではソースとサラダの下ごしらえ。

シャンピニオン(マッシュルーム)を煮詰めて作る「ソースデュクセル」用に250個のシャンピニオンをみじん切りしたり、サラダ用のトマトを5㎜角に切ったりと、地道な作業が

デザート「いちごのブランマンジェ」作り。

集団調理は、手順や時間、器具などの効率的な段取りだけでなく、
食材の大きさを整えて火の通りや見た目をそろえることも大切です。

おみやげ班も着々と。来場者のみ購入できる「おみやげ」はいつもすぐに売り切れてしまう人気ぶり。


「サービス班」は会場の準備を進めます。

「料理についての質問に答えられるように予習をしています」。接客は言葉遣いや身だしなみなどのマナーだけでなく、それぞれのお客様にあわせたおもてなしが求められます。

16時頃、すべての仕込みが済んで、あとは翌日を迎えるだけです。

いざ本番!
酒調ランチ、開店

3班それぞれにお客様を迎える最終準備で活気づく校内。

おみやげ班の「豚肉のチャーシュー」も完成!夕ごはんの一品に重宝しそうです。
焼き立てのテーブルロールはバターのいい香りが。

厨房にみんなが集まって「庄内浜の天然真鯛と野菜の紙包み焼き」の仕上げが始まりました。

前日に下ごしらえした食材やソースをパラフィン紙に包んでオーブンで焼く「パピヨット」(紙包み焼き)。「紙を開いた時に、ふわっと漂う香りを楽しむ料理です。鯛のうま味をより引き出す演出ですね」と太田シェフ。

コンソメは「完成された」という意味。「コンソメは技術のいる料理で、見た目も味わいも澄んでうま味があるように仕上げます」。一般的にはビーフが使われますが、今回は“庄内特製コンソメ”ということで、鯛のアラとエビでだしをとっています。

いよいよ開店!

おみやげブースも大繁盛。1時間足らずでほぼ売り切れました。

サービス班の丁寧な説明で、お料理がさらに味わい深く。

できあがり!こちらが本日のコース。


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「鯛はきちんと骨がきれいに取り除いてあって食べやすいし、身がふわふわやわらかくておいしい」
「紙の包みを開ける時のワクワクドキドキ感が楽しかった」
「スープはえびの風味がよく出ていて、すり身もすごくおいしかった」
「サラダのドレッシングを販売してほしい」
「いちごのブランマンジェは盛り付けがきれいで、食べておいしくて二度楽しませてくれました」
「学生さんたちの接客は感じが良くて、マナーがすばらしいですね」
「鯛の風味をいかしたすばらしい料理。こういう料理を調理できる学生さんも幸せですね。口福をありがとうございます」

などなど、お客様のアンケートには満足のコメントがたくさん寄せられました。

「お客様には完璧なものを出したいと思って取り組んでいるので、『おいしい』と言っていただくのが何よりうれしいですし、モチベーションにつながります」と調理班の菅原晴さん。
今回、難易度の高いメニューをみんなで見事に完成させました。

現在、酒田調理師専門学校の学生は、調理科、高度調理技術科の1年生と2年生の計33名。
佐藤祥子教頭先生は酒調ランチについて「先輩と後輩が一緒に仕事をするのも意味のあること」と話します。「毎日おいしいものを作って、おいしいものを食べている学生たちですから、“同じ釜の飯を食う”というだけあってみんなすごく仲がいい。おいしい食事は平和をもたらすのだと実感します」。

毎回すぐに満席になるという酒調ランチ。今後の予定はホームページでご確認を!